2025年3月21日に挙行された学位記伝達式において,4年生の石井くるみさんの卒業研究が優秀発表賞として表彰されました.
石井さんの研究は「長期的な人口動態を考慮した梯川流域での流域治水実施時の氾濫被害軽減効果」と題するものです.変化する気候条件のもと,水災害の甚大化が懸念されるなか,地域づくり・まちづくりと一体となった流域治水を進めるためには,長期的な視点が欠かせません.石井さんの研究では,石川県小松市を対象として,複数の手法・条件による50年ほど未来の人口推定を行い,その条件下で都市計画的治水対策を実施した際の都市構造変化の推定を行い,氾濫発生時の要避難者数の比較から,被害軽減効果を評価したものです.長期計画立案における定量的な評価の新しい方法論を提案する本研究により,流域治水に関する新たな視点の導入と議論が進むことが期待されます.